アスベスト分析で使用された資材を徹底調査

アスベストはかつて低コストかつ耐久性、耐火性、防音性などに優れているとされていたことから、公共施設を中心に採用事例が増え、一部には高層住宅や一般住宅にも使用されていました。主に石綿とセメントを混合したものを壁や天井に吹き付ける工法で施工され、比較的素早く工期を済ませることが可能なのも人気でした。しかし、後の研究で空気中に舞った粉塵を吸引するなどして体内に取り込まれるのが原因で塵肺や肺がんなどの原因になることが分かり、現在では製造販売や使用が禁止されているほか、一定規模以上の建物の解体やリフォームを行う際にはアスベスト調査を実施して、報告することが義務付けられました。まずは世帯主や施工を担当した業者などにヒヤリングを行い、どのような資材が使用されていたのかを調査しますが、数十年前になる場合には記憶が曖昧だったり、資料の保存期間が経過して設計図や資材の納品書など証拠となるものが存在していないケースがあるほか、施工業者が廃業するなどしていれば情報をたどるルートが途絶えてしまう場合もあります。

そんな時に活躍するのがアスベスト分析で、物件から採取したサンプルを専門の機関に送付して詳細な分析が行われます。その結果、サンプルがアスベストであると発覚した場合には安全性に最大限の配慮をして施工が実施されるほか、もしも使用されていないことが分かれば安心感を得て通常通りの施工が行えるようになります。アスベスト分析は現場の作業員や周辺の住人の安心安全を守るために、重要な役割を担っています。

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